ストレートな太い麺を使い、キャベツや豚ひき肉、お店によってはホルモンを具にして、比較的甘いソースで作る焼きそば。目玉焼きをのせ、福神漬を添えるのが大きな特徴。
昭和25年頃、横手市内の焼きそば屋の店主と地元の製麺所が協力して作り上げたのが発祥とされ、手ごろな価格と美味しさで人気を集めた。
平成13年7月に「横手やきそば暖簾会」を発足。横手やきそばを活用したまちおこしが始まり、各種イベントに登場、全国的に人気を集めるご当地グルメとなった。2012年より「横手やきそばサンライ’S」と名前を変え、更なる躍進を目指す。
横手焼きそば(よこてやきそば)は、秋田県横手市周辺で販売されているご当地グルメで、焼きそばに片面焼きの目玉焼きをトッピングするのが特徴です。
味は比較的甘口で、各店独自の出汁入りのウスターソースで味付けされるため、少し多めの水分があります。具材にはキャベツや豚のひき肉が入っており、一部の店ではホルモンも入れられることがあります。食べ方は、目玉焼きの黄身を崩して、たっぷりのソースと絡めて食べるのが横手流のスタイルです。麺は縮れた蒸し麺ではなく、茹でたストレートの角麺を使用し、柔らかくしっとりとした食感に仕上げます。付け合せとしては、紅しょうがではなく福神漬けが添えられます。
横手焼きそばは、B級グルメの祭典「B-1グランプリ」で優勝1回、準優勝1回の実績もあります。また、日本三大やきそばの一つに数えられており(他には富士宮やきそば・上州太田焼きそばが挙げられます)、地域に愛される美味しい一品です。
横手やきそばの歴史は、戦後の1950年頃に「元祖神谷焼きそば屋」の店主、萩原安治氏が新しいメニューとして地元の製麺業者と協力して横手やきそばの麺を開発したことから始まります。1965年頃には、手軽に作れることから駄菓子屋や民家の軒先でも販売され、ピーク時には100店舗以上の焼きそば店が存在しました。
横手やきそばは2001年に焼きそば愛好家の市役所職員によってインターネット上で紹介され、それがきっかけとなって町おこしの一環として活動が始まりました。市では「横手やきそば担当」という新たなセクションを産業振興・観光セクションに設け、横手やきそば暖簾会を設立しました。暖簾会は横手やきそばのブランド価値を守るために活動しており、2008年には地域団体商標の申請も行いました。
2021年9月時点で横手やきそば暖簾会には30店舗が加盟しており、2022年10月には初の海外店舗(台湾・台北市 ホテルメトロポリタンプレミア台北内レストラン)が加盟しました。
地域の横手やきそば店の資質向上を目指す「横手やきそばグランプリ実行委員会」は2007年に結成され、毎年秋に四天王決定戦を実施しています。このイベントでは、覆面の審査員が夏に予選会を行い、上位10店舗が選出されます。本選の四天王決定戦(2023年からは「横手やきそばフェスティバル」の名称)は、秋田ふるさと村で開催され、上位4店舗がその年の四天王店として認定されます。
横手やきそばはB級グルメの祭典「B-1グランプリ」にも積極的に出展しており、2009年には地元・横手でゴールドグランプリ(優勝)を獲得しています。
さらに、横手やきそばのPRを目的にマスコットキャラクター「やきッピ」の作成や楽曲「やきそばロック」の制作なども行われ、2023年には文化庁による「100年フード」に選定されました。