秋田の干し餅は、長い冬の風にさらして作るこの土地ならではの産物です。寒さが厳しいほどサクサクとした食感が増し、美味しく仕上がります。
紫芋、カボチャ、小豆、シソ、ゴマなどを練り込んで作った切り餅を、山で採ってきた“スゲ”で屋外に吊るして乾燥させて作ります。そのままでも食べられますが、フライパンやストーブの上で焼いたり、油で揚げると一層風味が増し、美味です。
干し餅は、餅に多量の水分を含ませて凍らせ、その後寒気に晒して乾燥させた伝統的な保存食です。地域によっては、「凍り餅」(こおりもち)、「凍み餅」(しみもち)、または「凍み氷」(しみごおり)とも呼ばれます。
干し餅の特徴
干し餅は冬の寒波を利用して作られ、自然凍結された餅が特徴です。東北地方から信越地方にかけて見られる保存食で、東北地方では主に「干し餅」と呼ばれます。
干し餅は通常の餅よりも水分を多く含んで長時間乾燥させるため、サクサクとした食感で歯ごたえが良く、甘みがあり、夏場まで保存が効きます。見た目は硬そうに見えますが、指で押しつぶすと粉になるほど脆く、和菓子の材料としても使われます。
昔は田植えの休憩時やおやつの時間に食べられていましたが、現在では地方の名産菓子として一般的に認識され、手作りされたものが産直などで販売されています。
バリエーション
牛蒡やごま、しそ、煮豆など、各種の材料を混ぜ合わせて製造する地域もあり、野菜の色を利用して着色されたものも多く見られます。
製造過程
食べ方
干し餅はそのままでも食べることができますが、水に浸して通常の餅と同じように食べる方法や、ストーブなどで焼いて食べる方法などがあります。また、油で揚げた干し餅には、あらかじめ砂糖、塩、醤油などで味付けをした製品も販売されています。