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いものこ汁

(じる)

秋の味覚がいっぱいの具沢山汁

秋田県南部では、毎年秋の収穫時期に仲間が集まっていものこ汁を作って食べる『いものこ会』や『いものこ遠足』という風習があります。これは秋田の冬の風物詩であり、地域のアウトドア行事の一つです。

「いものこ」とは里芋のことで、いものこ汁は里芋を主役に、地鶏、しいたけ、山菜、野菜など秋の味覚がたっぷり入った具沢山の汁物です。

いものこ汁は、秋の収穫に感謝し、喜びを祝い合う郷土料理で、刈り上げの節句の儀式のような意味合いも持っています。即席のかまどで作った熱々のいものこ汁の鍋を囲み、互いに今年の労をねぎらいながら酒を酌み交わす、賑やかな集いとなります。

主な伝承地域: 県南地域

主な使用食材: 里芋、鶏肉、糸こんにゃく、きのこ、山菜(せり、ウドなど)

歴史と由来:
いものこ汁は、里芋を使った汁料理で、岩手や秋田の郷土料理として知られています。秋田県では里芋の親芋につく子芋や孫芋を「いものこ」と呼び、これを主役に、鶏肉やきのこ、山菜などを使って秋の味覚を楽しむ鍋料理です。

里芋は横手市山内地域で栽培され、その柔らかな歯ごたえと独特の粘りが特徴です。里芋の栽培は270年ほど前に始まり、宮城県仙台地方から種子を取り寄せて栽培されました。県南地方では、秋の代表的な郷土料理として知られています。

食習の機会や時季:
きのこが豊富に採れる秋に、野菜と一緒に味噌や醤油で味付けして作られます。横手市鶴ヶ池公園では、毎年「いものこまつり」が開催され、いものこ汁を食べながらよさこい踊りや神輿、伝統芸能などのイベントが楽しめます。

作り方:
里芋の皮をむいて丸のまま煮ます。半煮えの状態で鶏肉を加え、柔らかくなるまで煮込み、きのこと糸こんにゃくを加えて味噌で味付けします。食べる直前にせりを入れます。せりは根っこまで使うと葉とは異なる食感が楽しめます。平鹿地域では味噌味と醤油味の二通りがあります。

Information

名称
いものこ汁
(じる)

大仙・横手・湯沢

秋田県