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稲庭うどん

(いなにわ)

寛文五年(1665年)から伝わるとされる独特な製法

独特の手延べ製法で作られた干しうどん。細めの麺はゆで上がりが早く、なめらかな舌触りとツルツルとした喉越しが特徴。寛文五年(1665年)に、稲庭吉左ヱ門がその独特な製法を確立したとされる。

生産量に限りがあったこともあり、古くは秋田藩の名品として各藩への贈答品に用いられており、高級品として知られていた。

現在では家庭や飲食店にて寒い時期には温麺で、暑い時期には冷やし麺で、1年に渡り食されている。秋田県の代表的な名産品として知られており、お土産としての人気も高い。

稲庭うどん

秋田県湯沢市稲庭町が発祥の、手延べ製法による干しうどんです。日本三大うどんの一つとして有名であり、同じ製法で作られた「稲庭そうめん」も存在します。

このうどんはやや黄色味を帯びており、太く、断面は平べったくなっています。製法はうどんよりもむしろそうめんに近く、打ち粉としてデンプンを使います。

独特の製法で麺をひねりながら練ることで、麺の内部に気泡が生じ、中空になっています。そのため、滑らかな食感が楽しめるのです。

一般的に流通しているのは乾麺ですが、地元や県外のアンテナショップでは半生麺も手に入れることができます。

歴史的には、「稲庭古今事蹟誌」によれば、寛文年間以前に久保田藩(秋田藩)領の雄勝郡稲庭村小沢集落(現・秋田県湯沢市稲庭町字小沢)の佐藤市兵衛によって始まったと伝えられています。

藩主が他藩への贈答品として用いたり、紀行家の菅江真澄が著書に賛辞を記したりするなど、古くから名品として知られていました。

機械に頼らない職人技の味

発祥の地である秋田県湯沢市稲庭地区は、良質の小麦の産地であり、栗駒山から清冽な水が流れ込む地形であったこと、そしてかつて貴重品だった塩が川伝いの交易で運ばれてくる恵まれた土地でした。

生地を手で捏ねて、細く長く延ばして綯い上げる。これが稲庭うどんの基本であり、鉄則の工程です。機械に頼らず、職人の手だけで行うことが、「寛文五年堂」という老舗製造会社のこだわりです。彼らは「非効率主義」を信条に、寛文5年の発祥当時の製法を守り、味と技を守り続けてきた歴史があります。

「寛文五年堂」は、意外性とともに、長年にわたり食べられ続けてきた生麺を存分に味わえるお店です。秋田を訪れたら、ぜひさまざまなバリエーションの稲庭うどんを楽しんでみてください。

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