秋田県県北部の三種町(みたね:旧山本町)森岳地区には、天然のじゅんさい沼があり、古くからじゅんさいの産地として知られてきたが、現在は田んぼを利用したじゅんさい栽培も盛んに行われており、日本トップクラスのじゅんさい産地として知られる。じゅんさいの別名「ぬなわ」は、夏の季語として昔の貴族が歌詠みにも使っていたという、歴史を感じさせる食材。寒天質で覆われた若芽の独特のつるんとさわやかな触感は、日本料理でも珍重されている。三倍酢などの和え物や汁物にして。また鍋にしても美味しい。
「じゅんさい」とは、スイレン科の水草で、根が水中を這い、水面に葉を浮かべる植物のことです。かつては「沼縄(ぬなわ)」とも呼ばれ、中国では古くから薬膳料理の食材として重宝されており、日本でも「万葉集」に記述が残る歴史ある食材です。
じゅんさいは、食用になるのは水面に浮かぶ葉ではなく、水中にある新芽の部分です。特徴的なのは、葉を包むゼリー状の「ぬめり」で、これが外敵の食害や病原菌から守る役割を果たしています。太陽の光に当たると、ぬめりを持った緑の葉が輝き、「食べるエメラルド」と称される美しい姿を見せます。
じゅんさいの収穫は、水面に浮かぶ葉を摘むのではなく、水中の新芽を摘み取ることで行われます。収穫期は主に5〜8月で、特に6月が最盛期です。
秋田県北西部に位置する三種町は、じゅんさいの有名な産地です。自然が豊かで、JR秋田駅から車で約1時間ほどの場所にあります。町は年間数百トンもの収穫量を誇り、「じゅんさい日本一の特産地」としてPR活動を行っています。
じゅんさいの館
じゅんさいの館は、新鮮な野菜や果物、山菜などの豊富な品ぞろえの直売所です。木製のテーブルやイス、小物の木工品なども多く展示・販売しています。
特に、施設名にもなった特産品である『じゅんさい』は、生ものから加工品まで様々なサイズを取り揃えており、お土産としても人気です。
また、施設内にある『お食事処 花河童』では、年間を通してじゅんさいを使った料理を楽しむことができます。じゅんさいシーズンには、彩り豊かな「じゅんさい三昧」を提供し、思う存分じゅんさいを味わえます。