日本海に突き出た男鹿半島は奇岩、断崖絶壁が続く荒々しい景観が広がる。このワイルドさが感じられる景観にふさわしい豪快な郷土料理が”石焼鍋”。木製の桶に魚介類、野菜を入れて、真っ赤に焼いた石を放り込むと、ジュワーという音とともに湯気が立ちのぼり、潮と味噌の芳醇な香りが周囲に広がる。汁が一気に沸騰するため、魚介類の身が引き締まり、野菜類も味を損なうことなく煮上がり、素材本来の味がいきた鍋が楽しめるという。石焼鍋の原型は男鹿地方の猟師料理。味も調理過程も楽しめる豪快料理を楽しんで欲しい。
石焼き鍋(いしやきなべ)は、秋田県男鹿市を中心に作られる鍋料理です。魚介を中心とした具材と味噌を使用しています。もともと漁師たちが浜辺で焚き火をして魚介を調理していたことから始まり、当地の石を高温に加熱して調理するのが特徴です。
男鹿周辺は漁場が豊富で、昔から漁師たちが浜辺で岩場を利用して魚を調理していました。岩のくぼみや船で使われていた木桶を鍋代わりにして味噌仕立ての汁と魚介を入れ、高温に加熱した石を入れて一気に沸騰させ、身を引き締まらせる調理法を使っています。この料理では400℃から800℃ほどの高温の石を使用しますが、周辺の地質的な特性から耐えることができる石質を使用しています。
石焼き鍋は豪快な郷土料理として飲食店でも提供されており、男鹿で獲れる魚介や海藻、県内の旬の野菜が具材として使われることが多いです。桶には香りの良い秋田杉のものが使われることが一般的です。安全のために厨房で石を入れて提供されることもありますが、希望する客には目の前で石を入れる様子を見せることもあります。
この料理は地元のイベントでも楽しまれており、2019年には道の駅おがで行われたイベントで巨大な石焼き鍋がギネス世界記録に認定されるほどの盛り上がりを見せました。