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きりたんぽ鍋

(なべ)

新米の季節に味わうねぎらい料理

きりたんぽ鍋は、うるち米を潰して木の棒に巻きつけ、ちくわ状に焼きあげた「きりたんぽ」を、地鶏、ごぼう、きのこ、ねぎなどと一緒に鶏ガラのだし汁で煮込む鍋料理です。きりたんぽは、冬に狩猟を行う猟師(マタギ)が保存食として持ち歩いたのが起源とされています。

秋田県北部の大館や鹿角地域周辺では、新米の収穫後にきりたんぽ鍋を囲み、農作業の労をねぎらう習慣が今も続いています。秋田県内の学校では、冬季の給食メニューにきりたんぽが出されることがあり、人気があります。

鶏(比内地鶏)のガラでとった出汁をベースに濃口醤油、日本酒と砂糖(または味醂)で醤油味のスープを作ります。

ゴボウ、マイタケ(金茸、銀茸)、比内地鶏など煮えにくい素材を順に入れ、中火で煮立てます。きりたんぽとネギを入れ、味が染みる直前にセリを投入します。セリに火が通ったら完成です。

具材は基本的にゴボウ、鶏肉、マイタケ、葱、たんぽ、セリの6種[注 1]です。入れてはならないとされるものもあり、シイタケはその代表例で、キノコはシメジかマイタケを使い、他に糸こんにゃくも用いないことが一般的です。

ただし、都心部の店舗や通信販売などを中心に、これらの食材を使って供される場合もあります。うるち米を素材とするきりたんぽは長時間煮ると形が崩れるため、食べごろになったら早めに鍋から取り出して食べることが望ましいです。

特にお土産として売られているきりたんぽには、繋ぎとして米粉が混ぜ込まれているため、その場で米を潰して作ったきりたんぽよりも型くずれしやすいです。

きりたんぽ

「たんぽ」は、元々稽古用の槍につける綿を丸めて布で包んだもので、杉や竹の棒に半殺し(半分潰すという意味)のご飯を巻き付けたものが「たんぽ槍」という名前で呼ばれています。たんぽ餅とも呼ばれます。

きりたんぽ(切蒲英、切短穂)は、すりつぶしたうるち米のご飯を杉の棒に巻き付けて焼いたたんぽ餅を棒から外し、食べやすく切った食品です。秋田県の郷土料理として、鶏(比内地鶏)がらのだし汁に入れて煮込んだり(きりたんぽ鍋)、味噌を付けて焼いたりして食べられます。地域によって食べ方は異なります。

きりたんぽは、元々は冷や飯の利用法として工夫されたものだと言われています。秋田県大館・鹿角地域の郷土料理で、マタギの料理が起源とされる説もあります。他にもいくつかの説がありますが、きりたんぽ鍋は家庭料理であるため、鍋に入れる鶏肉には決まりはありません。

比内地鶏が使われるようになった契機は、比内地鶏の産地である大館市の企業が、煮込んでも硬くなりすぎず鍋物に最適なことに注目してセットで売り出し、成功したことです。その後、県北部の鹿角市が発祥、大館市が本場と定着し、秋田県の郷土料理として広く親しまれるようになりました。

南部の地域ではあまりなじみがなかったが、全国的に有名になるとともに県南にも普及しました。秋田県内でも地域ごとに異なる食べ方や料理が楽しまれていることが特徴です。

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名称
きりたんぽ鍋
(なべ)

大館・能代

秋田県