どんな調理法にも合う万能の鶏と称されるこの比内地鶏は、「鹿児島の薩摩鶏」「名古屋コーチン」と並ぶ日本三大美味鶏のひとつ。秋田県北部が主な生産地で北秋田・鹿角地方がその中心。比内地鶏のおいしさの秘密の一つは、その飼育環境にある。ストレスのない自然な環境を整え、たくさん運動をさせて育てるため、余分な脂肪がないうえにゼラチン質に富んだ濃厚な脂の旨みが適度な歯ごたえと深い肉の味わいとなる。噛めば噛むほど、コクと香りが楽しめる。きりたんぽ鍋にも欠かせない食材である。
秋田名産の「比内地鶏」は、鹿児島の「薩摩鶏」と愛知の「名古屋コーチン」と共に、日本三大美味鶏のひとつとして有名です。この地鶏は弾力のある歯ごたえと濃厚な旨みが特徴で、どんな料理にも相性抜群。全国的にも大変人気を誇っています。
比内地鶏の歴史は江戸時代までさかのぼります。当時、この地域一帯は「比内」と呼ばれ、地域の在来種として飼育されていた「比内鶏」はその美味しさで有名で、お殿様への年貢品としても献上されていました。明治に入ると、「比内鶏」は国の天然記念物に指定されましたが、その味を受け継ぎつつ、さらなる品種改良が行われ、現在の「比内地鶏」が誕生しました。
比内地鶏の特徴は、弾力のある食感と濃厚な脂の旨みです。鶏ガラや肉から出る出汁はコクがあり、卵も味わい深く、まさに捨てるところがない高級鶏肉として高く評価されています。
秋田名産の「比内地鶏」を堪能するなら、専門店「秋田比内や」がおすすめ。本場の比内地鶏を多彩なメニューで楽しめるお店で、比内地鶏を味わうなら立ち寄りたい名店です。
比内地鶏の魅力はその歯ごたえ。しっかりとした噛みごたえと脂の濃厚な旨みが特徴。
名物の親子丼は、ぷりぷりの比内地鶏ととろとろの卵の組み合わせが絶品で、日本各地だけでなく中国や台湾からも観光客が訪れるほどの人気メニューです。
備長炭で焼き上げた比内地鶏のステーキは、外はカリッとして中は柔らかく、素材の良さを引き出すシンプルな料理。
寒い季節にはつみれ鍋もおすすめ。地産の野菜と比内地鶏がたっぷり入った贅沢な鍋で、鶏のダシが身体を温めてくれます。
道の駅「ひない」内にある「れすとらん比内どり」では、本場の比内地鶏を手軽に味わえます。地元の特産品を使ったメニューが豊富で、もちろん比内地鶏のグルメも多く楽しめます。
人気の「比内地鶏ラーメン」は、自家製の比内地鶏スープはコクがあり、中太ちぢれ麺も食べやすく、心温まる一杯です。
観光客に人気な一品料理として「比内地鶏 握り寿司」も楽しめます。炙ってタタキにした比内地鶏のピンク色の鮮やかな肉は、さっぱりとしていながらもしっかりと鶏の旨みがあり、軽く炙ることで香ばしさも加わります。醤油とポン酢で味わえるので、それぞれの風味を楽しむことができます。
比内地鶏の卵を使ったソフトクリームが人気で、卵の濃厚で優しい味わいは、食後のスイーツとして最適です。
また、JR大館駅の近くにある「花善」は、明治32年に創業した老舗の駅弁屋さんです。名物の「鶏めし弁当」は長年にわたって鉄道旅行の楽しみとして親しまれてきました。
「比内地鶏の鶏めし」は特に人気で、駅弁ファンからも絶大な支持を受けています。比内地鶏を中心に彩り豊かなお弁当が高級感ある掛け紙で包まれています。シンプルな塩焼きと秘伝のたれで調理したそぼろと県産あきたこまちのご飯が絶妙な相性で、美味しさを引き立てます。
自然豊かな秋田の車窓を眺めながら駅弁を楽しむのも素敵な旅の思い出になるでしょう。お土産にもおすすめですが、消費期限に注意して、新鮮なうちにお召し上がりください。
比内地鶏は「さつま地鶏」「名古屋コーチン」と共に日本三大地鶏の一つとして知られています。
もともと、原種の比内鶏は「成長が遅い」「体が小さい」「耐病性に劣る」などの理由から生産者にとってはあまり魅力的ではありませんでした。
比内鶏(ひないどり)は、秋田県北部の米代川流域、比内地方で古くから飼育されている家禽で、日本の天然記念物に指定されています。
そこで、秋田県畜産試験場は1973年から品種改良を行い、比内鶏の特長を維持しつつ生産性を向上させるために「秋田比内鶏」という品種を作り出しました。これは比内鶏のオスとロードアイランドレッド種のメスを掛け合わせた一代雑種(F1)であり、肉質の向上だけでなく、飼育方法や飼料管理にも注力しています。
全国の比内地鶏を販売している飲食店では、「比内鶏」と表示されることがありますが、実際には天然記念物である原種の比内鶏は市場には出回っていません。そのため、表示されているのは品種改良によって作出された「比内地鶏」のことを指しています。
比内地鶏は、肉の歯ごたえがありながらも加熱しても固くなり過ぎず、濃厚な脂の旨みが特長です。特に、秋田県北部が発祥のきりたんぽ鍋との組み合わせは相性が良く、きりたんぽ鍋セットを販売する業者のほとんどは比内地鶏の肉と比内地鶏のがらスープを同梱しています。
比内地方の土壌の特性から、比内地鶏を育てるのに非常に適しており、同じ種の鶏でも比内地方で育てると美味しさが増すとされています。