秋田諸越(もろこし)は、もち米の粉に砂糖と少量の水あめを加え、木型で抜き乾燥させて作る和菓子「落雁」の一種で、秋田銘菓の一つです。もち米ではなく小豆の粉を使っているのが特徴で、小豆の皮を除いて作るため、色は白っぽいです。
名前の由来は「とうもろこし」とは関係がなく、その昔、秋田藩主・佐竹公が「もろもろの菓子を越えて風味よし」とその味を評価したことから来ています。口の中で滑らかに溶ける上品な甘さは、お茶受けにぴったりです。
もろこし
もろこし(諸越)は、秋田県地方で作られている小豆粉を使用した銘菓であり、落雁の一種です。
伝統的には、小豆粉を木などで作った枠に入れ、乾燥させて固めたものに焼きを入れて作られます。このお菓子は300年以上の歴史がありますが、現代では伝統的な製法から機械化への移行が進んでおり、材料には小豆粉に砂糖や和三盆を混ぜたものが多く使われています。また、抹茶や黒糖を加えて色をつけたり、さまざまな形や模様をつけたりすることもあります。なまはげや秋田犬、秋田蕗など秋田の特徴的なモチーフが入ったデザインのもろこしも多く作られ、土産品として人気があります。
もろこしは和菓子の中でも打物と呼ばれる堅い菓子に分類されますが、口に入れると甘い粉がゆっくりと融けるため、緑茶のお茶請けにぴったりです。また、生タイプの柔らかいもろこしも開発され、販売されています。
「秋田諸越」として地域団体商標に登録されていることもあります。
由来
もろこしの由来には諸説あり、明確な定説はないが、江戸時代の宝永2年(1705年)に久保田藩4代藩主・佐竹義格が臣下の功をねぎらうために煎米菓子を作らせたことが始まりとされる説や、菓子店「杉山寿山堂」の初代・杉山良作が小豆の粉を使用した菓子を義格に献上した際に、「諸々の菓子を越えて風味良し」との評価を受けて銘を得たことによるものと伝わる説もあります。
また、異なる説としては、中国(唐)から伝来してきたものは何でも「もろこし」と呼んでいたことの名残というものもあります。