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秋田県産チョロギ

(あきたけんさん)

縁起担ぎのおめでたい食材

秋田県産チョロギは、縁起の良い食材として地元農家に愛されてきた味です。チョロギはシソ科の植物で、中国から伝来しました。明治から大正の初め頃まで、農家の畑の一角に必ずといっていいほど植えられており、各家庭で摘み取り、洗って地下茎の太い部分を切り取って漬物にして食べていました。

正月料理などにも使われる保存食で、古くから「長老木」という字が当てられ、長老を呼ぶ縁起の良い食材とされてきました。水から茹でた後、梅酢漬け、塩漬け、粕漬け、みそ漬けにして保存します。チョロギの原産は中国南部で、日本では延宝三年(1636年)の最古の記録が見つかっています。

旬 10月、11月

チョロギ(チョウロギ、玉環菜、草石蚕、学名: Stachys sieboldii)は、シソ科の多年草の植物であり、食用とされる球根のように見える塊茎部分が特徴です。元々中国が原産で、江戸時代に日本に伝わりました。縁起物として、正月のおせち料理にもよく添えられています。

チョロギの歴史については、古くから中国で栽培されていたことが記録されており、日本でも江戸時代に名前が初めて登場し、農書や料理書にも記載されました。明治期になると、栽培法が紹介され、全国各地でわずかずつながら栽培されるようになりました。現在では、大分県竹田市、福島県二本松市(旧・東和町)、広島県東広島市(旧・福富町)などで栽培が盛んであり、特に竹田市では300年以上にわたり栽培が続けられています。

また、1882年にはフランスとイギリスに伝わり、有望視された野菜として栽培され、市販も行われました。その後、1888年にはアメリカにも伝わり、「チャイニーズ・アーティチョーク」という名前で広く栽培されています。

特徴
チョロギは、シソ科の宿根草で、直立した茎が30 - 60センチメートル (cm)ほどに成長します。茎の断面は四角形で、稜部に逆刺があります。葉は楕円形で、毛が生えており、葉縁には鋸歯があります。花期は7 - 9月で、茎の先に淡紫紅色の花を各節に輪生して咲かせる特徴的な花を持ちます。夏期には地下の茎の各節から長さ3 cmから1メートル (m)になる地下茎を2本ずつ出し、8 - 10月の間にその先端に塊茎を形成します。根にできる塊茎は巻貝のような形をしており、黄白色で、通常は7 - 8節のクビレがあります。収穫は11 - 12月ごろで、食用として利用されます。日本では東北地方を中心に栽培されており、西日本でも栽培が行われています。西日本では収穫期は東北よりもやや遅く、12月ごろになります。

栽培
チョロギはほとんどの土質で栽培できますが、有機質に富んだ土壌が適しています。掘り残しを生じやすく、草勢も強いため、一度栽培すると野生化しやすい特性があります。肥料は必要量が少ないですが、栽培期間が長く吸肥性が強いため、効果的に肥料を施すことが重要です。

春には10 - 20 cmの間隔で種芋となる塊茎を定植し、発芽後は葉が茂るまでしばらく除草は行わず、追肥を行います。茎葉が茂ると倒伏しやすくなるため、必要に応じて支柱を立てて紐で結束し、誘引する必要があります。収穫は葉が枯れるのを待って行い、茎葉を刈り取ってから塊茎を丁寧に掘り出します。掘り出した塊茎は水中で土を洗い流して利用します。また、翌年の種芋用として塊茎を保存する場合は、土の中に埋めておくことにより、容易に保存することができます。

利用

チョロギは、縁起物としても知られていますが、救荒植物としても利用されています。

塊茎は塩漬けや赤く染めた梅酢漬けにしたり、茹でたりして食べることができます。塩漬けの場合は、赤い色をつけるために梅酢やシソ酢に漬けられることが一般的です。この赤く漬けたチョロギは、正月の御節料理によく用いられ、他にもクワイや黒豆を煮たものに添えられることもあります。他の調理法としては、うま煮、天ぷら、吸い物・茶碗蒸しの具、祇園漬け、汁の実などが挙げられます。西日本では焼いたものが箸休めに用いられることもあります。

チョロギは淡泊な味わいで、サクサクとした歯触りが特徴的です。梅酢漬けはユリ根に似た食感で、生姜のようにピリッと辛い味がします。茹でたり天ぷらにすると、ホクホクした食感になります。

この植物は中国からヨーロッパにも伝わり、フランスではクリーム煮やサラダに使われることがあります。また、アメリカでは煮たりフライにして食べられることが一般的です。

栄養価と効果

チョロギはスタキオースというオリゴ糖を特異的に豊富に含み、消化の良い四糖類であるため栄養価が高く評価されています。また、塊茎および全草を乾燥させたものにはスタキドリン、コリン、スタキオースなどが含まれ、強壮作用や鎮咳作用があるとされています。中国の医書には、チョロギが「徐風破血、下気精神」として、外からの病の侵入から身体を守り、血の滞りを治し、気を静め精神を安定させる効果があると記されています。

Information

名称
秋田県産チョロギ
(あきたけんさん)

秋田市

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